関連の研究
現在までの研究成果【論文要旨】を公開しています。
(著者)Hamashima C, Ogoshi K, Okamoto M, Shabana M, Kishimoto T, Fukao A
(誌名. 発行年; 巻(号): ページ)PLoS One. 2013 Nov 13; 8(11): e79088
鳥取県4市(鳥取、米子、倉吉、境港)と新潟市において、症例対照研究を行いました。胃がん死亡者を症例群とし、症例群の胃がん診断日に生存している健常者の生年月日、性別、居住地をマッチさせて、対照群を1:6で抽出しました。症例群は男性288人、女性122人であり、対照群は2,292人でした。3年以内の少なくとも1度の内視鏡検診受診で30%の胃がん死亡率減少効果を認めました(オッズ比0.695, 95%CI: 0.489-0.986)。一方、X線検診については、有意な胃がん死亡率減少効果は認められませんでした(オッズ比0.865, 95%CI: 0.631-1.185)。
(著者)Goto R, Arai K, Kitada H, Ogoshi K, Hamashima C
(誌名. 発行年; 巻(号): ページ)PLoS One. 2014 Feb 11; 9(2): e88113
内視鏡検診を推進する上で、地域の内視鏡検査処理能の検討が必要となります。内視鏡検診は医師会ベースの検診が基本となり、診療と共存することから、既存の医療資源の有効活用が内視鏡処理能に影響を与えます。今後、内視鏡検診導入を見据えた医療経済評価研究を進めるため、内視鏡検査実施の労働時間とその費用の調査を行いました。
新潟市において、内視鏡検診を行っている医療機関4件、44人の受診者を対象として稼働分析を行った結果をもとに、内視鏡検診に係る労働時間から、労働費用を算出しました。検査前1,305±867秒(21.8分)、検査642.8±193秒(10.7分)、検査後2,482±1,728秒(41.4分)で合計4,415±2,261秒(73.6分)であり、検査後の処理に関わる時間が最も長いという結果になりました。対応する労働費用は、検査前792.6±537円、検査679.3±679.3円、検査後1,508±1,050円で合計2,991±1,424円でした。
(著者)後藤 励, 新井 康平, 謝花 典子, 濱島 ちさと
(誌名. 発行年; 巻(号): ページ)日本医療・病院管理学会誌. 2013; 50(3): 209-218
【目的】内視鏡胃がん検診を診療所レベルで実施する際に、どのような資源が検診数に影響しているのかを検証します。
【方法】診療所レベルでの内視鏡胃がん検診を10年前後に渡り実施してきた、鳥取県米子市と新潟県新潟市の診療所に、郵送質問票調査を実施しました。人的資源、物的資源、医師の特性といった変数を説明変数として測定し、週あたりの検診数を被説明変数としたポアソン回帰を行いました。また、各診療所の今後の検診件数増加の意向についても調査しました。
【結果】消化器内視鏡学会専門医の有無と医師の年齢を除けば、主には物的資源が検診数に有意に影響を与える変数となりました。ここで物的資源の変数は、内視鏡本数、全自動洗浄機の保有、専用内視鏡室の有無などから構成されており、いずれも検診数を増加させる要因でした。
【結論】内視鏡検診の件数増加については、物的資源への投資の有効性が示唆されました。
(著者) Hamashima C, Ogoshi K, Narisawa R, Kishi T, Kato T, Fujita K, Sano M, Tsukioka S
(誌名.発行年; 巻(号):ページ) World J Gastroenterol. 2015; 21(8):2460-2466.
2005年の新潟市の胃がん検診受診者のうち、40-79歳の受診者は50,521人(内視鏡16,373人、直接X線18,221人、間接X線15,927人)であった。新潟市胃がん死亡率を比較対照とした場合の標準化死亡比は、内視鏡0.43(95%CI:0.30-0.57)、直接X線0.68(95%CI:0.55-0.79)、間接X線0.85(95%CI:0.71-0.94)でした。比較対照を新潟県胃がん死亡率、日本全体の胃がん死亡率とした場合にも同様の傾向が見られました。内視鏡検診により57% 胃がん死亡率減少効果が示唆された。ただし、標準化死亡比を用いた研究は、過大評価の可能性があります。
比を用いた研究は、過大評価の可能性があります。
(著者) Hamashima C, Narisawa R, Ogoshi K, Kato T, Fujita K.
(誌名.発行年; 巻(号):ページ) BMC Cancer. 2017 Nov 9;17(1):740.
2003年から2012年まで新潟市のX線検診と内視鏡検診で見つかった胃がんについて、受診歴別に胃がんの進行度渡船損率について調べました。対象となったのは、内視鏡発見がん1585人、X線発見がん462人でした。初めて内視鏡検診を受けて胃がんが見つかった人のうち最も進行しているステージ4の割合は6.4%でした。しかし、1年前あるいは2年前に内視鏡検診を受診した人の中では、ステージ4の割合は1%以下でした。生存率を見ても。1年前に受診した人と2年前に受診した人では同等でした。しかし、3年前の受診では受診歴のない人と生存率は同じになりました。一方、X線検診では受診歴のなかった人のうち、ステージ4の割合は8.9%以下でした。しかし、2年までの受診のある人では10%となりました。その結果、X線発見がんでは1年前受診と2年前受診では差が見られました。この結果、X線検診では毎年の受診が望ましく、内視鏡検診では検診を2年に延長しても大丈夫という結論になりました。
平成15-17年度に胃内視鏡検診、またはX線検診を受診した50-69歳の方を対象とした研究です。ただし、平成15-17年度以前に2年間胃がん検診を受診していない人が対象です。胃X線検診を受けた人に比べ、胃内視鏡検診を受けた人の胃がん罹患率、胃がん死亡率、全死因死亡率が減少するかどうかを調べます。
ご自身が研究の対象になっているかどうか知りたい場合は、胃内視鏡検診研究事務局あてにご連絡ください。研究に協力したくない場合には、研究対象からは除外します。
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